アメリカンフットボールのプロリーグ設立に向けて

2010年に日本でアメリカンフットボールのプロリーグを設立する――2000年の元旦に自分に課した目標です。この目標の実現に向けて、この場をお借りしてこれまでの仕事を振り返り、アイデアを整理し、構想を練り、自らのモチベーションを鼓舞していきたいと思います。

Saturday, February 18, 2006

フットボールの価値とは何か

 ここまでこのブログをご覧頂いた方々の中には、「とはいってもアメリカンフットボールなんてプロ化できるわけない」とお思いの方もいることだろう。そう思うことは当然だと思う。なぜなら自分自身も常にその自問自答をし続けているからだ。ただ、この6年間その自問自答をし続けてきた中で、アメフトがプロ化できる可能性がゼロではなく、また場合によってはそれは確度の高いものとなることを確認してきている。このブログでは「その理由」をお伝えしていくわけだが、まず自身のシーガルズでの経験の中で、「アメフトには価値がある」という確信を得たことをお話しよう。

 シーガルズは、現在は様々な企業に勤める選手によって構成されるクラブチームであり、メインスポンサーにオービックを迎え「オービックシーガルズ」という名称となっているが、かつてはリクルートの社員によって構成される「リクルートシーガルズ」という、いわゆる企業チームであった。そうなった経緯は今後このブログでもお伝えしていこうと思うが、まだ企業チーム全盛であった98年に、前回の予告で既にお伝えしている「シーガルズの価値とは何か」という10枚に渡る資料を作成した。そう、サッカーの日本代表がW杯初出場を決めた後のことである。この資料を作成しようと思い立った理由としては、

1)サッカー人気の拡大による、アメフトの相対的人気低下の懸念(Remember Nov.16,1997)
2)当時、企業スポーツが見直される中、チーム存続の危機感
3)当時シーガルズに起こった様々な現象による新たな価値創出の可能性
4)アメフトという競技の特性とポテンシャル

があった。以下は、その資料の冒頭に書いた文章である。
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1.はじめに
・足を切断した陸上選手がシーガルズの活躍を励みにし、選手として復活しフルマラソンを完走した。
・熱狂的なシーガルズファンが登場し、応援ホームページの運営を開始した。
・ワールドリーグに参加した安部選手にアメリカの子どもから「あなたのような選手になりたい」という手紙が来た。
・ある大学の学生たちが「シーガルズサポート」というサークルを結成した。
・シーガルズのホームページのヒット数が3万を超えた。
・シーガルズの選手がスタジアムで試合を解説する企画に約40名が応募した。
 これは97年のシーガルズに対しての実際に起こったムーブメントの一例です。
 私はシーガルズに所属し日本一になるという目標のもとフットボールを楽しんでいます。シーガルズは自分達に他のスポーツと同様の人間的成長や感動、そしてフットボールを楽しむという娯楽的満足や夢を与えてくれます。選手達は「強くなりたい」「勝ちたい」という欲求のもとシーガルズに所属し、日々精進しています。
 自分が「シーガルズの価値の向上」について考え始めたのは、このようなそもそも選手達が自己満足を追求しているアマチュアリズム的な行動が、本来目的としていなかった上記のようなムーブメントを引き起こすというシーガルズの「2次的価値」を生み出し実際にその存在を実感し、その可能性を感じ始めたことがきっかけでした。
 フットボールはプロ化できるのか?現在の答えはNOとしか言いようがありません。プロでなければアマチュアスポーツ、しかもマイナースポーツであるフットボールにおいて「シーガルズの2次的価値」について追求する必要があるのでしょうか?私はシーガルズが存在し、試合に観客を求める以上、必要であると考えます。プロではないので金銭的利益という価値を求める必要はなく、リクルートにとって、フットボール界にとって、社会にとって、そして自分たちにとっての価値とは何かを再確認し、それらを向上させるプランを実行することが必要です。
 この企画書では、その価値の確認に始まり、具体的な価値向上プラン、そしてそのプランが結果的に日本におけるフットボールの発展に寄与する仕組みを提案します。これからのアマチュアスポーツチームの一つの在り方の指針となれば幸いです。 日本におけるフットボールの発展を願って
                    1998年1月 リクルートシーガルズ 山谷拓志
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 後付のような言い方にはなるが、自分はこの時点で「シーガルズというチームには複合的な価値があり、その価値は換金化し得る」ということを確信していたように思う。この確信が、後にシーガルズがリクルートから離れクラブ化(独立化)した時に、自身が企業スポンサーを獲得できるという自信につながったのだと思う。また、この資料を作成したことが自分自身「フットボールの価値とは何か」を深く考えるきっかけになったことは間違えない。

 では、フットボールの価値とは何か。これを考える前に、まずどのような観点でその価値を確認すべきかのアウトラインを述べておこう。これはスポーツそのものの価値を測定する場合にも当然あてはまるフレームであろう。

1)「エンターテインメント」としての価値
 →面白いかどうか、見世物や体験物としての価値
2)「媒体」としての価値
 →誰かに何かを伝える媒体としての価値(≒広告価値)
3)「経済活動」としての価値
 →金銭的利益を生む装置としての価値
 →納税による社会コスト捻出装置としての価値
4)「教育」としての価値
 →子供の教育に役立つのか、人材育成に役立つのか、
  企業の経営にとって学ぶことがあるのか、といった価値
5)「健康増進」としての価値
 →体力の向上、健康の維持を図るものとしての価値
6)上記以外の社会的価値
 →目に見えない価値:住民や従業員の求心力、地域犯罪抑制など
 →公共財としての価値

次回以降では、それぞれの観点における「フットボールの価値」を述べていこうと思う。

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